トマトの定植(植え付け)について

知っておきたいトマトの歴史

日本にトマトが入ってきたのは、江戸初期のころで、狩野探幽が「唐なすび」として、画題にスケッチしています。
意外に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、当初は食用としてではなく、観賞用として重用されていました。
実際に、食用としてのトマトは、明治時代に入ってからです。

しかし、しばらくのあいだ生食されることはなく、もっぱらトマトソースに加工して、西洋料理に利用されていました。
本格的にトマトを栽培し、このトマトソースを確立したのは、皆さまご存じのカゴメソースで、試行錯誤を経て現在のトマトソースのベースを作りだしたのです。

トマトの品種は意外に多い

トマトは、世界的にも大人気のお野菜です。世界中で栽培され、世界のトマトの生産量は、およそ1億7千万tともいわれています。
日本のコメの生産量と比較すると、年間781万tあまりで、どれだけトマトの需要が高いかお分かりいただけるかと思います。
トマトは品種もかなり多く、世界的なレベルでみると約8000種類もの品種が存在しています。

このうち日本では、120種類ほどが生産されており、主にピンク系や赤色系のトマトが主流です。
トマトには、もう一つ緑系のトマトがありますが、日本ではトマトは赤いものとして認知されていますので、あまり需要はないようです。
また日本では、完熟トマトが人気で、塩トマトなどといった地域特産のトマトも多くみられます。

トマトの定植のコツ

まず定植とは、何も畑や庭先などに苗を植え付けるということではなく、ある程度丈夫に育った苗を、最終的に育てる場所に植え付けることを意味きたものです。
トマトは、素人でも比較的育てやすく、丈夫な植物ですが、小さな苗の状態では弱りやすく、ある程度の大きさまで、小さなポットで育てるのが一般的です。
植物を育てるには、その特徴をよく知ることが大切です。

特に、環境は最重要視するもので、トマトの場合、アンデス地方が原産地とされていますので、乾燥に非常に強く、日光を好むのが共通する特徴です。
特に日光が不足すると、花もつきにくくなり、株も弱ってきます。
トマトの定植の時期は、本葉が8〜9枚出て、1番花が咲き始めた頃が適期とされています。

トマトの定植の注意点

過程でトマトを育てる場合、よほど広い庭でない限り、大型の品種を育てることはあまりお勧めしません。
やはりトマトは、収穫目的で育てますので、ある程度実成りの良い品種を選ぶことです。
たくさん収穫できれば、それだけ育てがいもあるというものですし、丹精込めて作ったトマトは格別な味がするものです。

ただし、たくさん実をつければ、株も弱ってきますので、ほどよく摘芯をしながら大切に育てていきましょう。
庭が狭い、または植木鉢などで育てるといったご家庭では、ミニトマトがお勧めの品種です。
粒は小さいのですが、数多く収穫でき、毎日の収穫が楽しみになってきます。