トマトにつく害虫と病気について
日本では、一年草として扱われているトマトですが、本来トマトは多年草です。
暖かな地域では、長期育成を行えば、10mほどの高さに成長し、延々と開花と結実を続けるのだそうです。
トマトの花や青い部分には、「トマチン」という成分が含まれており、病害虫に比較的強い植物です。
トマチンは、量的にも人間にはほとんど害はなく、いくつかの菌に対する抗菌性と、昆虫への忌避性を持ちます。
こうした特性からも、初心者でも育てやすく、実を付けやすいのがトマトの特徴です。
しかし、株が弱ってしまうと、病害虫にかかりやすくなってしまいます。
特に、多湿には弱いので、梅雨の時期や水のやり過ぎには、十分な注意が必要です。
トマトにつく代表的な害虫
害虫の中には、トマトを好んで寄ってくる虫も多く、葉に着く虫や実を好む虫など様々です。ここでは代表的なトマトにつく害虫を挙げておきます。
・タバコガ/オオタバコガ
幼虫の時には、つぼみや新芽を好み、成長するとトマトなどの実にも穴をあける。
・ハモグリバエ
白い筋のような幼虫で、エカキ虫と呼ばれ葉肉内で食害をします。
・アブラムシ
新芽や新梢/裏葉にも群棲し、繁殖力も旺盛で病気を媒介する。
・コナジラミ
葉裏に寄生して汁を吸う。すす病やウイルス病の原因にもなる。
・ハダニ
葉裏に寄生して汁を吸い、植物を弱らせる。
・コガネムシ/ネキリ虫
幼虫の時に根や茎元を食害する。
・ヒラズハナアザミウマ
幼虫/成虫共に食害する。
トマトの代表的な病気
・萎凋病
萎れと回復を繰り返し、やがて下葉の方から枯れ上がり、茎の中が茶色く変色するのが特徴。
・うどんこ病
葉全体がうどん粉をまぶしたようになり、生育不良を起こす。
・炭疽病
黒褐色の小斑点が拡大し、株を弱らせる。
・灰色かび病
とけるように葉や花が腐り、病気が進行すると灰色のカビに覆われる。
・モザイク病
葉や花弁に濃淡のまだら模様ができ、モザイク状となり株を弱らせる。
・苗立枯病
茎の地際が侵される病気で、枯死を招く病気。・さび病葉の部分に、さびのような褐色の小斑点ができ、枯死を招いてしまう。
・疫病
若い株で発生しやすく、暗い色の病斑が現れ腐敗を起こす。
トマトの害虫・病気の対策
トマト農家の多くが、ハウス栽培を行う理由の一つに、こうしたトマトの害虫・病気の対策予防があります。
最近の家庭菜園では、有機農法や無農薬で、野菜を育てるということが多くなってきました。
もちろん、農薬や消毒薬を使わないことは、人間の体にとても良いことです。
しかし一方で、農薬や消毒薬を全く使わないということは、日常的に害虫・病気の被害に悩まされることになります。
毎日株の葉の裏まで隅々と点検し、異変があればすぐに対処しますが、毎日の事となるとさすがに大変です。
こうしたことからも、人体にも優しい農薬散布や消毒薬もありますので、病気や害虫に合わせて対処していくことをお勧めします。