根には本来の役割がある
私は日々、土を耕して農業をしているので、雑草を抜くことが多いです。
皆様も庭の雑草を抜くことがあると思います。
その時、多くの人が誤解している根の本来の役割りがあります。
今回は、根の役割を考えながら、正しい雑草抜きを考えてみましょう。
まずは、植物の根の役割についてご紹介します。
多くの人は根の役割というと、土の栄養分を取り入れることと思っていらっしゃるのではないでしょうか。
それは正しいことですが、根の役割は他にもあります。
実は根には、土を軟らかくするという大事な重役割もあるのです。
土が軟らかいと、その場に生えている植物は、土の中に容易に根を張れます。
そうなると、その植物の次の世代の子孫たちも、そのままその場所に根をつくるでしょうから、植物が絶えないで次々と生えてくるようになるでしょう。
そして、根からは光合成の後につくられた糖分出されるのです。
それによって、微生物が集まるので、土の中は良い環境になります。
つまり、土の中にバランスよく微生物と植物が存在するということで、それぞれのメリットを取り込みながら野菜が育つ良い土をつくってくれるのです。
さらに、枯れてしまった植物の根の栄養は微生物たちが分解するので、土の養分になります。
その際、根が存在していた場所は土の中で穴のように残っているので、土が軟らかくふわふわとした感じになるのです。
根から取らないほうが良い理由は土のため
上記に書いたように、植物と微生物の連携によって土の中は養分がたっぷりになります。
そうなると、そこに生える雑草の種類が変わるという現象が起きるのです。
これは植物がよりよい環境に移り変わるということの現れでしょう。
耕作を放棄してしまった土地ですと、その当初はまだそれなりにちょっとした雑草が生えているものですが、長い年月そのままになっていると、それが木になり森に変わるのと同じです。
畑も土の内部に変化が起こると、そこに存在する雑草も種類が変わります。
つまり、雑草の根が残っていれば、土が軟らかくふわふわになるので、そういう土に適した微生物も多くなりますし、草も生えるのです。
このような良い土のある環境を好む草というと、浅い根で小さめで柔らかいものなので、草刈をするのは楽ですし、野菜が成長する妨げになりません。
このように抜きやすい雑草が生える土の環境だと畑の維持が楽でしょう。
土を軟らかくするには耕すことと思われがちですが、そうなるのはほんの一時です。
そういったよい状態にするためには、草の根を残した雑草刈りが大事になります。
おすすめの草の刈り方を知っておこう
草刈の基本は、刈る場所を根元よりも下の部分にすることです。
特にイネ科の雑草だと、葉が細くて長いので、成長する部分は下の方にあります。
そのため、上で刈るとすぐに伸びるでしょう。
そうならないように、成長する部分より下にしながらも根は少々残すようにします。
このように、気を付けながら草刈りを行うとなると、最初は大変でしょうが、慣れると楽で速くできるようになります。
根を残すとまた生えてくると思うかもしれませんが、生えてくるものは限られた種類です。
それよりは、土の環境を考えた方が良いでしょう。