蒸し込みとは
一度凝り出すと、奥行きが深くてどんどんハマってしまうのが家庭菜園です。
家庭菜園をどんどん続けていくと、季節外れの野菜を収穫するためのハウス栽培などにも魅力を持つようになります。
ハウス栽培を始めれば真冬でもトマトなどの夏野菜を収穫することができるので、ぜひ一度挑戦してみることをおすすめします。
ハウス栽培ならどんなに寒い季節でも好みの野菜や果物を育てることができますが、どうしても植物に虫がついたり病気が発生してしまったりすることが多いものです。
こんな時には「蒸し込み」を行うことによってトラブルを解決することができます。
蒸し込みというのは太陽熱を利用して病害虫を駆除する作業のことで、有害な化学薬品を使わなくてもハウス内を健全な状態に保つことができます。
蒸し込みの方法
蒸し込みを行うのは、7月から9月にかけての熱い日です。
ハウス内の温度を高温に保って病害虫を駆除することが目的ですので、ハウスを閉め切って40°以上になる日が10日以上続くのが理想的です。
蒸し込みを行う前には、植物の根を抜き取る、あるいは切っておくようにしましょう。
雑草などは、除草剤で前もって枯らしておくことをおすすめします。
準備が整ったら、ハウスの天窓や側窓、入り口などを全て密閉し、内部を高温状態にキープします。
ビニールが破れている箇所があるような場合には、養生テープなどを使って補修しておくことが大切です。
10日間経過したら、植物の腐った根などをすべてきれいに取り除きます。
植物を栽培している間に病害虫が急に増えてしまったような場合には、植えた状態で蒸し込みをすることもできます。
うどん粉病や灰色カビ病は、短期間の蒸し込みでも効率よく駆除することができます。
ハウス内が45°c以上の状態が2時間以上続けば、これらの病害は駆除できます。
また、アザミウマやコナジラミなどといった害虫は50°cの状態が1時間続けばほとんどを駆除することができます。
蒸し込みを行う際のポイント
本格的な蒸し込みを行うと、地域によってはハウス内が60°c以上の高温になることも考えられますので、機械類などはできるだけ外に持ち出しておくことがポイントです。
さらに、蒸し込みによって害虫を駆除できたとしても再び外部から害虫が侵入することも考えられますので、定期的に農薬などを使用してケアを怠らないことが大切です。
定植時に植え込むよことによって害虫を予防できる製品なども市販されていますので、試してみるといいでしょう。
例えばニテンピラムを有効成分とする「ベストガード粒剤」などはハウス内で発生しやすいコナジラミ類やアブラムシ類などを長期間にわたって防除することができます。
アザミウマやハモグリバエにはスピノエース顆粒水和もおすすめです。