オランダのハウス栽培トマトは興味深いですね

ハウスによるトマト農業が有名なオランダ

オランダと日本の関係は深く、江戸時代の鎖国下の中でも、唯一外交関係を維持した国だったことをご存じでしょうか。
オランダは、西豪州中部に位置する国で、日本の九州に匹敵する415万haの国土しかありません。
しかしオランダは、その狭い面積にもかかわらず、施設園芸の分野では世界一と言われています。

トマトは、世界中の人に愛される野菜の一つですが、トマトの生産量を見ても、日本の約8倍ものトマトが生産されています。
その生産量の秘密は、オランダ独自の技術であるトマトのハウス栽培の確立です。
特にオランダでも、日照時間の長いゼーランド州の農園には、多くのトマト農家が集まっています。

オランダのハウス栽培方法

オランダのトマト産業の根幹は、ハウス栽培によるものです。
オランダの温室は、フェンロー型と呼ばれる温室が多く、施設園芸先進国であるオランダで開発されたものです。
フェンロー型温室は、ダッチライト型温室とも呼ばれ、連棟型温室なのが特徴です。
半透明のアパートが連なる様子は、かなり壮観な風景を醸し出してくれます。

フェンロー型温室の特徴は、骨材が細く採光性に優れており、おおむね軒高が高いのが特徴です。
日本でも、トマトのハウス栽培は行われています。
しかし、オランダのハウス平均作付面積は約3ha、日本の0.5haと比べるとその規模の違いに、驚かれる方も多いのではないでしょうか。

ハウス栽培のメリット

オランダのトマトのハウス栽培は、非常に画期的で、最新技術がふんだんに使用されています。
簡単に言えば、大規模&大量生産なのですが、日本の農家の現状をかんがみると、人手不足の影響は大きく、トマト農家の未来の一つの姿なのではないでしょうか。
こうしたオランダのハウス栽培は、養液栽培が主流です。

培地には、ロックウールが使用されており、チューブを使って水と養分を補給するスタイルです。
畑のように用土を一切使用しませんので、病害虫に悩まされる事なく、安全なトマト栽培を可能としています。
季節によって、茎の本数を調節し、1年を通して、8ヶ月間は常に収穫できるというのですから、かなり驚きです。

システム化された最先端の技術

オランダのハウストマト栽培は、作業は分業体制で、集中と効率化をモットーとしています。
わき芽及び下葉かき、誘引作業は手作業で行われますが、収穫に際しては、自動で収穫カゴを輸送する機械を使います。
自動で収穫したトマトは、所定のレーンに卸され、ベルトコンベヤーを通じて、選別場に自動で運ばれていきます。

空いたかごも積み重ね、所定の位置にもどしますので、効率よく作業が行えます。
ほかにも、高所作業用の昇降機や消毒用の機械など、最先端の技術が導入されており、これならと収穫量の多さを裏付けるものです。
ただし、収穫量には及びませんが、味の点では日本のトマトは、かなり優秀だということを一言添えておきましょう。