追熟について

収穫後に行う追熟

果物や野菜というのは、実がなっている状態で完熟するまで待ってから収穫する「成熟」の状態が理想的です。
とはいえ、収穫状況や量によっては完熟する前に収穫しなければならない場合もあります。

果物や野菜が成熟する前に収穫してしまった場合には、「追熟」とよばれる過程を経ることが大切です。
特に、作物の中には追熟させることによって甘みや美味しさを増加させるものも多いので、追熟のテクニックをマスターしておくと便利です。

追熟する野菜と追熟しない野菜

野菜の中には、追熟するものとそうではない野菜の2種類があります。
例えばサツマイモやカボチャ、トマト、アボカドなどといった野菜は、追熟させることによってより美味しく食べることができます。
ゴーヤなども追熟する野菜のひとつです。

さつまいもやカボチャというのは糖分をデンプンの形で蓄えており、収穫してすぐ食べるよりも追熟したほうが甘みが増します。
洋梨やメロン、バナナなども、追熟させることによってより美味しく食べることができる果物です。
カボチャなどは秋に収穫して冬に食べることも可能ですので、追熟の特性を十二分に利用することができます。
ただし、収穫した時に実に衝撃が加わるとそこから腐ってしまうことがあるので、カボチャの収穫は丹念に行うようにしたいものです。

これに対してきゅうりやトウモロコシ、アスパラガス、人参など多くの野菜は追熟しない野菜に分類されます。
ですから、追熟する野菜としない野菜をよく区別して、正しく収穫することによって旬の味を楽しめるようになります。

追熟の方法

野菜を追熟するためには、温度管理が非常に大切なポイントです。
例えばカボチャやサツマイモを追熟するのであれば、室内の温度は15°から20°に保つことが大切です。
換気や風通しにも気をつけて上手に通塾すれば、甘みが増した美味しいカボチャやサツマイモを食べることができます。

野菜や果物というのは、それぞれに一番美味しい食べ時というものがありますので、タイミングを逃さないようにして食べることが大切です。
家庭菜園で育てた果物や野菜はもちろんのこと、スーパーなので買ってきた野菜・果物もすぐに応じて追熟することが大切です。
美味しそうだから買ってきたのに、食べてみたら堅かった桃なども、家で追熟すれば見違えるように柔らかくて美味しい桃に変身します。
追熟といっても難しいことではなくて、1〜2日常温に置いておくだけです。

果物や野菜は収穫した後も生きているということを忘れないようにしてケアすれば、食べごろを逃すこともありません。
青いトマトなどはりんごと一緒に保存しておくことによって上手に追熟することができます。
りんごには「エチレン」と呼ばれるガス状の植物ホルモンが多く、トマトの追熟を手伝ってくれるのです。