お昼休みのチャイム代わりに妻が届けてくれるお弁当
私たち農家の朝はとても早く、特に収穫の最盛期や夏の暑い時期などは、日の出とともに畑に出て作業を開始することも珍しくありません。
まだ涼しいうちに体力を使う力仕事や収穫を終わらせてしまうため、お昼時になる頃にはすっかりお腹が空ききっています。
だからこそ、毎日の農作業の合間に取るお昼休憩が私にとって何よりの楽しみです。
忙しい時期は家に戻って食事をする時間すら惜しいため、妻が畑のすぐそばにある手作りの休憩スペースまで、できたてのお弁当をわざわざ届けてくれます。
いつも一緒に泥だらけになって農作業を手伝ってくれて、それだけでも本当に頭が下がる思いで助かっているのに、その合間を縫ってお弁当まで用意してくれて、本当に感謝の言葉しかありません。
青空の下、時折吹き抜ける心地よい風を感じながら食べるお弁当は、私にとって世界で一番の格別なごちそうです。
うちの畑で採れた野菜が主役のメニューたち
妻が作ってくれるお弁当の最大の特徴は、何と言ってもうちの畑で採れたばかりの新鮮な野菜がふんだんに使われていることです。
少し形が不格好になってしまったり、収穫の際にうっかり傷がついてしまったりして市場には出荷できない規格外の野菜たちも、立派で美味しいおかずに大変身します。
自分たちで毎日汗水流して丹精込めて育てた野菜を、こうして一番美味しい状態で自分たちの手でいただけるのは、農家という職業を選んだ者だけが味わえる最高の贅沢です。
スーパーで買ってきた野菜ももちろん美味しいですが、やはり採れたてならではの力強い味と豊かな香り、そして瑞々しさが口の中に広がると、体の底から不思議と元気が湧いてきます。
しっかり食べて午後の農作業も頑張れます
美味しいお弁当をきれいに平らげた後は、妻が水筒に入れてきてくれた温かいお茶を飲みながら少しだけ目を閉じてリラックスします。
40代になり、無理がきいた20代の頃に比べると疲労の抜けにくさを感じることも増えてきました。
ですが、こうして毎日決まった時間にしっかりと手作りの温かいご飯を食べているので、これまで大きな体調を崩すこともなく農業を続けてこられたのだと痛感しています。
妻の愛情たっぷりのお弁当のおかげでしっかりと栄養と水分の補給ができたので、午後から予定している雑草取りや整枝の作業も、集中力を切らさずにスムーズに進められそうです。
空になったお弁当箱を重ねて妻に手渡し、「今日も美味しかった、ありがとう」と感謝の言葉をしっかり伝えてから、再び気合を入れて畑へと戻ります。
家族の温かい支えと協力があるからこそ、私は毎日土と真剣に向き合い、皆さんに喜んでいただける美味しい野菜を作り続けることができるのだと改めて実感しました。