東京の大学に通う娘からの予期せぬ贈り物
いつものように夕方までみっちりと農作業を行い、心地よい疲労感とともに家に帰ると、リビングのテーブルの上に可愛らしい包装紙に包まれた小さな箱がちょこんと置いてありました。
宛名と送り主の欄を見てみると、なんと東京の大学に進学して現在一人暮らしをしている娘からの荷物。
今の時期は誕生日でもありませんし、父の日などの記念日というわけでもなかったので本当に驚きました。
どうやら先日大学の友人たちと一緒に東京駅の近くへ遊びに出かけたらしく、いつも大行列ができている可愛らしいイチゴのお菓子を買うことができたから、実家のみんなにも食べさせてあげたいとわざわざ送ってくれたようです。
大学の授業やサークル活動、アルバイトなどで毎日忙しく、お盆やお正月くらいしか大阪に帰ってくることができない娘。
こうして遠く離れていても私たちのことをふと思い出してくれたことが親としては何よりも嬉しいです。
泥だらけになった一日の疲れが一瞬にして吹き飛んでいくような温かい気持ちになりました。
まるで小さな花束のようなイチゴのお菓子を妻と楽しみました
夕食とお風呂を済ませてすっかりリラックスした後、妻と一緒に少し良い温かいコーヒーを淹れて、楽しみにしていた箱を開けてみました。
中に入っていたのは「オードリー」というお店の「グレイシア」という、東京で連日大行列ができるほど大人気の洋菓子。
私たちが普段、農作業の休憩時間に縁側で食べているような素朴なおやつとは全く違います。
サクサクの薄いクッキー生地が小さなブーケのように巻かれており、その中にふんわりとしたクリームと甘酸っぱいフリーズドライのイチゴがちょこんと乗っています。
まるで小さな花束のような可愛らしい見た目で、泥くさい農家の食卓にはもったいないくらい。
一口食べてみると、クリームの優しい甘さとイチゴの爽やかな酸味が絶妙なバランスです。
妻と二人で「やっぱり東京で流行っているお菓子はおしゃれで美味しいね」と感心して笑い合いました。
箱の底には娘からの短い手紙も添えられており、親元を離れてもしっかりと自分の足で立ち、充実した毎日を送っている様子が目に浮かびました。
離れて暮らしていても家族の繋がりを感じます
娘がまだ実家にいた頃は、私が畑から真っ赤に熟したトマトを持ち帰ると、誰よりも早く台所へ飛んでいって水で洗い、そのまま美味しそうにかじりついてくれていたのを昨日のことのように思い出します。
今でもたまに電話で話すと「東京のスーパーのトマトも買うけど、やっぱりお父さんの作ったうちのトマトが世界で一番美味しい」と言ってくれます。
次に仕送りの荷物を作る時には、一番出来が良くて甘いトマトを箱いっぱいに詰めて送ってやろうと心に決めました。
息子は将来の頼もしい跡継ぎとして、私の隣で汗を流してくれていますし、娘は自分の目標や夢に向かって東京で一生懸命に頑張っています。
それぞれ過ごす場所や立っているステージは違っても、私たち家族の絆はしっかりと根を張って繋がっているのだと、今回の素敵な贈り物を通じて改めて感じました。
明日もまた遠くで頑張る娘に負けないように、お父さんも胸を張って美味しい野菜作りに励んでいこうと、イチゴの爽やかな余韻を味わいながら静かに気合を入れ直した夜でした。